
Photo by Jackson Lee Davis/AMC
『ウォーキング・デッド』シーズン9第3話「A、又はB」を見ての感想です(ネタバレあり)。
国内外のいろいろな噂によればリックのラストシーンは第5話か第6話になるようです(第5話説が濃厚)。
主役の退場なんてウォーキング・デッド史上でも最大級のイベントなのに、これといった大掛かりな事件も未だ起きていません。
今回も波乱の予感というか予兆めいた出来事だけで、決定的なものはありませんでした。
『ウォーキング・デッド』シーズン9第3話の注目ポイント
とは言っても、(リックのことがあるからかも知れないけど)全編の何気ないシーンでも張り詰めた空気とか緊張感に満ちているのが見て取れて、今回も視聴後の満足感は十分にありましたね。
そして第3話で特筆すべきポイントは以下の通りです。
- 死亡フラグにしか思えない一家団欒シーン
- 救世主が共同キャンプを出ていく
- 救世主失踪の犯人はオーシャンサイド
- アンが謎のヘリと無線通信
死亡フラグにしか思えない一家団欒シーン
本編10分過ぎからのカントリーソングに乗せてリック、ミショーン、ジュディスの一家三人のプロモーション・ビデオのような幸せそうなシーンは、いわゆる「死亡フラグ」なのでしょうか?
ジュディスを高い高いしたり、這い這い競争で負けたりしているのを見ると、リックの残り時間の少なさを知っているこちらとしては「あぁ、これがリックの最後の幸せな時間なのかな」と切ない気持ちになりますね。
このシーズン9ではリックが主要メンバーたちと一対一で会話をするシーンが、(分かりあえているかはともかく)度々出てきます。
第3話ではミショーンとのこんなやり取りがありました。
リック「ありがとう」
ミショーン「何が?」
リック「君がしてきたこと。今していること。君でいること」
リックのミショーンへの惜別のメッセージに聞こえます。
次回からの展開次第ですが、こうしてベッドで愛を交わす場面はこれが最後なのかもしれません。
救世主が共同キャンプを出ていく
過去の経緯から銃の所持を禁じられている救世主。
仲間の相次ぐ失踪でナーバスになっているところに、殺されてウォーカー化したジャスティンの死体が発見されたものだからキャンプ場は大騒ぎに。
「俺たちはみんな殺されるんだ」
「銃を持てば平気よ」
元救世主のアルデンが鎮めようとするも、ジェッドに「お前はもう仲間じゃない」と言って殴られる。
ダリルに代わって聖域のリーダー役となったキャロルが銃をチラつかせて従わせようとしますが聞き入れません。
ジェッド「お断りだね。今ここで撃ってくれ。おびえて過ごすよりマシだ」
ジャスティンを殺したのはダリルじゃないのか、いやゴミ女(アン)が怪しいと疑います。
銃を向けられながらも斧や鉈やトンカチを手にする救世主たち。
彼らに「やってみろ」と言って挑発するダリル。
まさに一触即発ムード(ここでゲイブリエルが最前面に出てくるのがちょっと笑える)。
しかし馬に乗ったリックが駆けつけて何とか衝突を回避します。
ただしジェッドは1ミリも納得していない表情。
救世主についてリックのダリルとの対話
ダリル「誰がやったにせよ理由は分かる。一緒にいればこういうことが起きる」
リック「いや、これが正しい道だ。未来はみんなのものなんだ」
ダリル「奴らに未来を与える?彼ら(仲間を奪われた人たち)の望みを考えたことがあるか?」
リック「誰よりも俺が望んでいたことだ。だが死者の世界でお互いに殺し合うなんてこれ以上はやめるべきだ」
前にも書いたけどカールがニーガンの有刺鉄線バットで撲殺されていたとしても同じことが言えるのかをリックには考えてほしい。
リック「賛成してないと思うが、実行してほしい。お前が実行し人々に示すんだ。そうすればみんなが過去を洗い流し、それが最良の選択になるかも」
意見の相違はあってもリーダーシップを発揮してみんなを引っ張って欲しいというリックは最後に「兄貴を置き去りにした男を殺さなかったように」と言って会話を終えますが、まるで違う状況でのエピソードを持ち出すのはちょっとズルい。ダリルの表情もそんな感じに見えます。
キャロルがジェッドに殺されそうに!
連絡がつかなくなった救世主のアラットたちを二人組になっての捜索中の夜にキャロルが不意打ちにあい、救世主のジェッドに喉元にナイフを突きつけられます。
ペアを組むリックが銃口を向けるもひるまないジェッド。
「そっちこそ銃を下ろせ。喉を裂く前に撃てない」
キャロルを殺されたくなければ銃をよこせと主張します。
ジェッド「狩られるのはご免だ。お前たちのペット計画から外れさせてもらう。子守は不要だ。家に帰るまで身を守りたい」
救世主狩りの恐怖から、とにかく銃を手にしなければと焦っているのが分かります。
しかしさすがはキャロル。
一瞬のすきに体をかわして袖口に隠し持った小型ナイフでジェッドの胸元(致命傷にならない部位)を突き刺す。
ジェッド「なぜ殺さない」
キャロル「命は尊いからよ」
そして翌朝、救世主たちは全員でキャンプを出ていきます。
救世主失踪の犯人はオーシャンサイド
もしかしてウィスパーズに狩られた?と密かに期待した救世主の失踪は、オーシャンサイドのシンディたちに殺されていたことが明らかになりました。
救世主の死体に刺さっていた矢を見てダリルは「犯人が分かった」と言います。
その前に救世主のアラットに後ろから殴られて森の中で失神していたオーシャンサイドのベアトリスに、彼女の武器をしっかり確認してから渡してましたからね。
オーシャンサイドと救世主の間に何があったかは既にシーズン7第6話でも明かされています。
ナターニャ(当時のオーシャンサイドのリーダーでシンディの祖母)「他のグループともめて全員殺された。シンディの11歳の弟。私の孫も。それから身を守るためによそ者を見つけたら殺すことに。服だけ持って昔の家を出た」
この「他のグループ」が救世主で「昔の家」が最後にアラットが殺された場所です。
壁に大きくFINAL WARNING(最終警告)のスプレー描きが。
ここにマギーとダリルがやって来たのはシンディたちがアラットを処刑する寸前。
シンディ「サイモンは私たちのすべてを望んだ。最終警告に従えって」
オーシャンサイドが女性と子供ばかりの集落だったのは、どうやらサイモンの独断で男性住民が皆殺しにされていたからだったようですね。
ニーガンは人間こそ資源だからと必要以上の殺人は禁じていたはずだから。
清掃人も死んだふりをしていたアン以外皆殺しにしたし、これでサイモンの狂人エピソードがまた一つ増えました。本人はもう死んでるのに。
そしてベアトリスの夫がジャスティンに、シンディの弟はアラットに殺害されたことが明かされます。
シンディ「彼女は弟を撃ったわ。まさにここで。泣いてる弟を見て笑ってた」
マギーとダリルは泣いて助けを求めるアラットを置いてその場を後にします。
アンが謎のヘリと無線通信
夜に単身ゴミ山に戻ってきたアンが、隠しておいた無線機で何者かと通信をします。
アン「ジェイディスよ。近くにいるんでしょ。ヘリを見たわ」
男の声「何がある?AかBか」
どうやら相手は前回アンが目撃したヘリが属する組織の男のようです。
その後の会話からアンがジェイディスとしてゴミ山の清掃人を率いていた頃からこの組織と取引を続けていて、しかも取引のブツは人間らしいことが分かります。
そして用意した人間はAまたはBとランク付け?のようなラベルが貼られるらしい。
この謎の男の声がまた無機質で冷酷で敵に回したくない匂いがプンプンしてます。もちろん敵なんでしょうけども。
アン「何が必要?」
謎の男「Aだ」
アン「Aね」
謎の男「明日だ」
ここにアンを尾行していたゲイブリエルがやってきます。
救世主失踪絡みでアンから目を離すなとリックに頼まれてましたからね。
ゲイブリエル「本当のことを言ってくれ。君は人を取引したのか?」
アン「そうよ」
ゲイブリエル「私やリックのことも売ろうと?」
アン「ええ」
この後アンがコミュニティに溶け込もうとしたけどやっぱり無理だと告白しゲイブリエルに一緒に出ていこうと誘いをかけます。
しかしリックを裏切れないと断るゲイブ。
アンは「あなたはBだと思ってた」と言って無線機でゲイブを殴って失神させます。
AとBとは何を意味しているのか?
やはりシーズン9を大きく動かす鍵を握っているのはアン(というかジェイディス)なのでしょうか。
『ウォーキング・デッド』シーズン9 次回はどうなる
マギーとダリルが行動を起こす?
マギーとダリルはオーシャンサイドが復讐のために救世主のアラットを殺すのを黙認しました。
これはグレゴリーを処刑したマギーを見て、リックのやり方に従う必要はないと悟ったからだとシンディが告白したから。
シンディ「あなたが道を示した」
これを聞いて驚きつつも心を動かされたような微妙な表情をするマギー。
マギー「納得しようとしたけど…」
ダリル「そうだな」
マギー「私が道を示したと。私を支持してくれた。リックのやり方は終わり」
ダリル「(頷く)」
マギー「ニーガンの所へ」
ダリル「分かった」
やはりマギーにとってはニーガンを殺さなければ何も終わらないし新たな世界を築くことも出来ないのでしょう。
となると次回はマギーとダリルがアレクサンドリアに幽閉されているニーガンを殺しに行くということ?
えっ?本当に?
リック退場のカウントダウンの最終局面でまだ内輪もめが続くのでしょうか。
まあこれはこれでスリリングで面白くもあるんですけどね。