『ウォーキング・デッド』シーズン9第2話 リックの理想主義は前途多難?「復興の道」

Photo by Jackson Lee Davis/AMC

『ウォーキング・デッド』シーズン9第2話「復興の道」を見ての感想です(ネタバレあり)。
亡き息子カールが夢見た敵も味方もない平和な共同体を実現しようと奮闘するリックですが、各コミュニティのリーダーである昔からの仲間たちとその理想主義を共有できているとは言えず、少々空回り気味。

それと幽閉中のあの男が、不在であるが故の存在感をじわじわと増しているようです。

『ウォーキング・デッド』シーズン9第2話の注目ポイント

みなさん思っているでしょう、「シーズン9は面白くなっている」と。
やっぱり主要キャスト同士が一対一で会話するシーンが大幅に増えたことでじっくりウォーキング・デッドの作品世界に入り込めるから満足感があるんですよね。

ということで第2話を見終えて印象に残ったポイントは以下の通りです。

  • リックがニーガンと対話をしている
  • 各コミュニティが協力して橋の復旧に尽力
  • アーロンの左腕が……
  • マギーがアールを釈放
  • アンとゲイブリエルがカップルに!?

リックがニーガンと対話をしている

冒頭と終盤で独房に監禁されているニーガンにリックが語りかけるシーンがあります。
「こうして話すのは久しぶりだ」
どうやらリックはこの1年半、定期的にニーガンに近況報告をしてきたとのこと。

リックに切られたニーガンの喉の負傷が癒えるまで時間もかかったことでしょうが、
「ほぼ俺しか話していない」
と、リックが一方的に語り続ける感じだったようです。

それが終盤ではニーガンが語りだします。
上手くいかないことも多いが団結して未来を築いている、と語るリックに対し
いずれ崩壊する
その橋は未来ではない。死人への慰霊碑だ
お前は世界を救っちゃいない。俺のために準備してるんだ
と、不気味な予言をします。

実際、あと数回?でリックがこの世界からいなくなってしまうわけで入れ替わるようにニーガンが表舞台に再登場するのでしょうか。

各コミュニティが協力して橋の復旧に尽力

第2話の日本語タイトルは「復興の道」ですが原題は「The Bridge(橋)」です。
第1話の感想で書いたように橋が崩壊すればコミュニティ全体の危機につながるということで共同キャンプを張って復旧工事をしています。

不満分子が問題を起こす

前回マギーが「橋の修繕は彼らにやらせて」と言ってた通りに聖域の住民も多数参加しています。
しかし一枚岩とはいかず、問題を起こすのもやっぱり救世主。

王国の少年ヘンリーが水を一杯ずつ配給しているのを「もっと飲ませろ」とヘンリーを突き飛ばして奪い取ったのは救世主の馬面男ジャスティン。
ヘンリーは冷静にモーガン仕込みの杖術でジャスティンを倒し給水サーバーを取り返します。
怒ったジャスティンがヘンリーに襲いかかろうとするのをダリルが制し、殴り合いに。

このジャスティンは前回もダリルに反抗的な態度を見せていた男。
「お前をボスとは認めちゃいねえぞ」という本音を隠そうともしなくなっています。

ウォーカーの群れの誘導に失敗

この世界でウォーカーは自然と集団を形成してあちこち移動していく設定になっています。
高台から監視をして、ある意味無防備とも言える共同キャンプのエリアを通過すると予想された時は、爆破音やサイレンを利用してウォーカーの群れを上手く誘導してやり過ごすようにしているようですね。
向こうの人たちはウォーカー集団にも命名しているのが面白いところ。
今回誘導するのは「ホレイショ」だそうです。

順調に行くかに思われたところ、2発目のサイレンを鳴らす役目の「笛吹き2」が誘導を仕切るタラの呼びかけに応じず、当然サイレンは鳴らずにウォーカーの誘導に失敗してしまいます。
この笛吹き2はジャスティンだったのだけど、こんな重要な役目を問題を起こしたばかりのジャスティンにやらせたのは何故?

アーロンの左腕が……

馬面男ジャスティンのせいでウォーカーの群れの誘導に失敗して材木の伐採場が襲われてしまいます。
慌てて逃げようとする混乱の中でアーロンの左腕が丸太の下敷きに。
ダリルが救出しようとするけど重い丸太に苦戦します。目前に迫るウォーカー。
こんな危機的状況でアーロンがダリルに「助けてくれ!」じゃなくて「行け!逃げろ!」というのはいい奴すぎる。
ここでダリルがナイフの二刀流でウォーカーを倒していくのはカッコいい。中年太りのせいで動きに切れがないのは仕方ないとしましょう。

そこへリックたちが駆けつけてなんとか難を逃れます。

アーロンの左腕を切断したのはイーニッド

アーロンの負傷現場に医師のセディクが不在だったため切断手術をしたのはセディクから医療技術を習っているイーニッド。
「研修医」と呼ばれてたけどそもそもセディク自身が研修医じゃないかとツッコミを入れたくなりました。

初めての手術ながら見事にやってのけたのは凄い。イーニッド自身も大人になってきて顔のラインがシャープになったのか、グッと綺麗になりましたね。

それにしても、アーロンはリック一行をアレクサンドリアにスカウトしてくれた人物。
救世主との戦いで恋人のエリックを失っても、オーシャンサイドの援軍を得るため命がけで説得をしたりとかなり重要な存在になってきたように思えるんだけれども。
シーズン8第3話で救世主の基地からリックが連れてきた赤ちゃん(グレイシー)を引き取って大事に育てているイクメンっぷりは今回のダリルとの会話からも十分に伝わってきただけに、この仕打ちはあんまりな気もします。

片腕だけで子育てできるのか、何よりシーズン9を生き抜いていけるのか大いに心配なところです。

マギーがアールを釈放

第1話でグレゴリーに巧妙に誘導されてマギーの命を狙った鍛冶屋のアール。
自分が作った牢屋に投獄されていたアールに、まず妻のタミーとの面会を許可した後で、マギーが話を聞きます。

アールから酒乱だった過去や20年間禁酒してきたこと、息子ケンを失った悲しみから飲んでしまい、凶行に及んでしまったことを打ち明けられます。
ひょっとしてグレゴリーはアールが禁酒していることを知っていて酒を勧めたのかも?

マギーはアールを釈放し監視付きで働かせます。
鍛冶屋が必要だったのは確かとしても、その理由についてミショーンとこんな会話をします。
ミショーン「なぜ気が変わったのか教えてくれる?」
マギー「父もお酒に依存してた。でも善人に。立ち直れたことで大勢が救われた」
ミショーン「私もその1人よ」

アンとゲイブリエルがカップルに!?

第1話の博物館のシーンでその予兆はあったようにも思うけどこのカップリングは正直ビックリです。
シーズン7第10話では清掃人に捕らわれて殺されそうになっていたのに。
ただしアンがゲイブに本気になるとは思えず、何らかの意図があって自分のコントロール可能な駒にしようとしているのかも。

あと、この先の展開に直接関係ないとは思いますが、ゲイブが思い出の女性の似顔絵をアンに描いてもらうシーンの直後に「ANNE」とサインの入った人物画が映し出されます。
そしてヒルトップのマギーの部屋の壁に何枚もの人物画が飾られているのが分かります。
おそらくマギーの依頼で、画家であるアンがマギーの亡くなった家族たちの肖像画を描いたのでしょう。
写真は残ってないだろうからマギーの記憶を頼りに、アンが似顔絵捜査員的な能力を発揮したと思われます。

ということは初めに映った画はグレン?黒Tシャツ姿だし間違いないとは思うけどもう一つ似てないようにも……。
でも壁の右上のハーシェルの画は遠目にもそっくりなのが分かるから、アンは東洋人の顔の引き出しが十分じゃないのかも知れません。

アンの頭上にまたしてもヘリが!

ゲイブ「君は過去を話さないのに」
アン「聞いていいわ。秘密は話さないけど」
この秘密っていうのがまた相当重大な秘密のはず。
余計な詮索はしない不文律でもあるのか、主要メンバーたちがアンの過去について厳しく問い質した様子も無さそうですよね。
以前の世界では画家で美術教師(多分)だったアンがゴミの山の女王になるまでに何があったのかリックたちは気にならないんでしょうか?
まあニーガンも元体育教師で中古車セールスマンだったのですが。

ラスト近くの深夜、アンはヘリコプターのローター音を聞き、頭上を見上げてヘリを見つけます。
ヘリを見たアンの呼吸が少し乱れた感じなのは、「何か」を察してのことなんでしょうか?

『ウォーキング・デッド』シーズン9 次回はどうなるだろうか

リックとダリルの対立が表面化してしまったけれど

正確に言うと対立というよりリックの理想主義にはこれ以上付き合いきれないと愛想を尽かしつつある状況ですね。

リック「前進するんだ。今こそ団結する時だ。みんな味方だと分からせる」
ダリル「俺たちは味方か?」
リック「どう思う?」
ダリル「味方でいたいがあんたは耳を貸さない」

そもそも前に進むためにはニーガンを殺すべきだったはず。
土壇場でニーガンを生かしておく決断をしたリックへの不満は爆発寸前の状態に見えますね。

「あなたは正しいことをしてる。でも心の準備ができてない人も」とキャロルに言われたことの意味をリックにはちゃんと考えてほしいところです。

リック退場のカウントダウンが始まっている中での初期メンバーの絆の崩壊は避けてもらえないものでしょうか。

新たな敵はすぐ近くまで来ている?

今回も未知の外敵は出てきませんでしたが、もしかしてと思わせる場面はチラホラと見られましたね。

リック「失踪者の件は?」
ユージーン「また1人救世主が減っていた。1ヶ月で6人だ」

アルデン「聖域を出てから誰も戻ってない」
リック「誰も?」
アルデン「家族がいる者や子供が生まれた者も」

どうやら失踪した救世主たちは自分の意志で消えたわけではなさそうです。

また、第1話で出てきたトウモロコシから精製した燃料と引き換えにヒルトップから食料の援助が得られるという約束で、聖域から送り届けたはずの燃料が翌週になっても到着していない事実が判明します。
運び役も当然救世主でしょうから燃料ごと消えてしまったことになる。

そしてラストシーンではリックにキャンプを追放されたジャスティンが知り合いらしき人物(誰かは見えない)に話しかけてガツンとぶちのめされるところで終わります。

一体何が起きているのか?
早くもウィスパーズが登場するのか?
秘密を抱えてるはずのアンの不安気な様子も含めて次回あたりから話が動きそうな予感がします。