『ウォーキング・デッド』シーズン9第1話 不穏な空気が漂いまくりの「新たな幕開け」

Photo by Jackson Lee Davis/AMC

いよいよ始まった『ウォーキング・デッドシーズン9
第1話「新たな幕開け」を見ての感想です(ネタバレあり)。
シーズン8ラストで宿敵ニーガンとの戦いに一応の決着を見てから一年以上経過してリックと仲間たちがサバイブするこの世界がどうなっているのか、秩序は維持できているのか、食糧問題は?エネルギー問題は?そして新たな敵の出現は?
と、あちこち興味の湧くところですが第1話では大きな展開はなくて、不穏な空気を充満させていろいろと種をまいた感じでしょうか。

『ウォーキング・デッド』シーズン9第1話を見て気になったポイント

シーズン9の第1話を見終えて、「あぁ、こういう状況になってるのか」と思った点を箇条書きにするとこんな感じです。

  • マギーが無事出産している
  • ガソリン枯渇で移動手段は馬に
  • 「清掃人」のジェイディスが普通に仲間として加わっている
  • ウォーカーがちょっとだけ怖さを取り戻している
  • オープニングタイトルが新しくなった

マギーが無事出産している

マギーがグレンからプロポーズされたのがシーズン3の第15話、妊娠していることを口にしたのがシーズン6の第5話。「救世主」との抗争中は妊娠3ヶ月と言っていたからお腹も目立たず、妊娠設定をなかったことにするんじゃないかと疑ったくらいです。

誕生したのは男の子で、新生児でなく多少の成長を見せているのが前シーズンからの時間経過を現しています。
マギーの父親から名前を貰ったハーシェル君はアジア系の血が濃く出てパパのグレン似なのはマギーも嬉しいはず。

ガソリン枯渇で移動手段は馬に

この世界になってからガソリンの精製は行われていないわけで、周辺地域のガソリンスタンドが空っぽになればジ・エンドなのは自明の理。もはや移動手段は馬か徒歩かなんですね。
日本なら大量の自転車が利用できるはずだけどアメリカのあの辺りじゃママチャリで買い物する文化とかなかっただろうし。

ダリルはバイクに乗ってたけど、リックとの会話でトウモロコシの燃料と言ってたようにユージーンがトウモロコシからバイオエタノール燃料を製造してるんですね。冒頭に「聖域」での作業場面が出てきました。
でもバイオエタノールをそのままガソリンタンクに注入して大丈夫なのか。
おそらく残り少ない貴重なガソリンと上手く混合させてるはずだけど、こういう時にユージーンの博識設定は都合がいいなぁと思う。

「清掃人」のジェイディスが普通に仲間として加わっている

シーズン8の最終話でモーガン(フィアー・ザ・ウォーキング・デッドに異動)に「コミュニティに加わらないか」と誘われてたけど既に馴染んでるようですね。「アン」と呼ばれてた。

このアン(ジェイディス)は謎が多いというかいろいろと秘密を抱えてそうですよね。
シーズン8第14話では、ゴミの山にあるとは思えないモダンな部屋での様子が出てきます。
そこでの行動は、
何やら通信機らしき物体がある。
スーツケースに荷物をまとめている。
腕時計を見て時間を気にしている。
と、怪しさ満点です。

その後ニーガンとのやりとりの最中に腕時計のアラームが鳴り、同時に上空にヘリコプターが出現します。こちらの様子を窺ってるようなので間違いなくアンが呼び寄せたのでしょう。
でもトラブルを嫌ってかヘリは飛び去ってしまいます。
ニーガンもヘリを見て「どういうことだ?」と言ってたし、この地域の各コミュニティで他に誰も知らない「何か」を知っているんですね。

そして今回シーズン9第1話でも博物館の入り口ホールの『マシスン美術館』と書かれた垂れ幕を一人見つめるアンの何やら含みのある表情をわざわざ映しているのも意味ありげだし。

あっさりと種子の袋を大量に探り当てたのも「昔、生徒を連れてきたとき作物を育てるため種を保管してることを知った」とさりげなく自らの過去に触れつつ説明してました。
でも巨大な博物館のどの部屋のどの引き出しにあるかなんて簡単にわからないのが普通ですよね。ここにもやはり秘密がありそうです。

どうやらアンは自分の抱え持った情報についてリックたちに何も打ち明けていないように思えます。

ウォーカーがちょっとだけ怖さを取り戻している

ここ数シーズンは人間同士の殺し合いばかりでウォーカーの脅威があまり感じられませんでした。
まるでお化け屋敷の幽霊やゾンビみたいに近づけども絶対に手は出してこないお約束があるかのように。
ウォーカーの群れに遭遇しても「なんだかんだで抜け出せてしまうんだろうな、ここで死んでも意味ないしな」と安心して見ていられるようになってしまっていました。

かと思えば数々の修羅場をくぐり抜けてきたカールがあんなふうにあっさり噛まれて最期を迎えてしまったり。
ほんのひと噛みでもアウトというウォーカー本来の怖さは今回ヒルトップの青年ケンが不注意で噛みつかれたシーンで多少なりとも垣間見えました(単にケンの経験不足のせいではあるけど)。

オープニングタイトルが新しくなった

内容には関係ないけど、オープニングタイトルの映像が新しくなりました。
と言っても私はいつもここは飛ばしちゃうのでどうでもいいんだけど、まぁ今までのアナログっぽかったのがCGを多用して気分一新な感じですかね。

『ウォーキング・デッド』シーズン9 次回以降への期待と不安

シーズン9第1話はシリーズのオープニングとしてはまずまず面白かったです。
派手な殺戮劇よりもメインキャラクターたちの微妙な関係性とか複雑な心理戦を見せてこの先の展開に興味をそそられる内容となっていました。

それを踏まえた次回以降の注目ポイントはこんな感じです。

交通インフラの崩壊がいずれ危機を招く?

ガソリンの枯渇で自動車で遠方に物資調達に出かけるのはもはや不可能となっていますが、あちこちの橋が崩れて通行不能になれば緊急事態になっても身動きがとれない懸念があります。

新たな外敵がそんな事情も踏まえて急襲してきたら逃げようがないですよね。
実際にシーズン後半では「ウィスパーズ」という集団と戦うことになるそうなので心配です(ホントはすごい楽しみだけど)。

食糧事情のコミュニティ間格差が争いの火種に?

マギー率いるヒルトップはシーズン8第12話「生残る鍵」に登場したジョージーという謎の女性から『未来への鍵』と題された分厚い手書きの文書を託されています。
そこには

  • 風車の建築計画
  • 水車やサイロの設計図
  • 穀物の精製法
  • 製材方法
  • 水路構築

といった中世の人々の叡智がぎっしり詰まっていました。

もともと農業に適した土壌で自給自足が可能だったのに確かなマニュアルまで手にしたのだから最強ですね(もっともこのマニュアルの知識はコミュニティ間でシェアされるべきものだと思う)。
抗争のない世界なら食糧自給能力こそ最大の武器でしょう。
王国も農業は盛んだったはずだけど救世主にズタボロにされて元通りに再建しようと頑張っている途中。
アレクサンドリアは新興住宅地だから農耕には不向き。
聖域はおそらく土壌がイマイチなのか思うような収穫が得られない。
オーシャンサイドの海の幸は魅力的ですね。

食糧を分けるのはいいけどいつでも無条件とはいかない、とマギーが強気になるのは自然なことではあります。

ただ空腹は生存本能を刺激して暴力的な行動を取らせる場合があるからこの先どうなるかわかりません。聖域ではニーガンを賛美する壁の落書きがあったりもします。

ダリルに代わって聖域に残るというキャロルは大丈夫でしょうか、ちょっと心配です。

主要メンバー間のわだかまりは解消されるのか?

ニーガンを殺さなかったリックをマギーは許していない。これは当然ですよね。
カールの遺志を持ち出されたら反対はしにくいけど、目の前でニーガンに夫を撲殺されたマギーが納得できるはずもない。

リック自身も最後の対決の前(シーズン8第14話)にヒルトップから逃げ出した救世主の連中を捜索に行き、コミュニティに迎え入れると説得し、ウォーカーの群れが襲って来るなか最後には投降する意思を見せた彼らをモーガンと一緒に無慈悲に皆殺しにしています。
それがカールの手紙を読む前だったとしても、人としての一線を完全に超えてしまったわけで、今さらええかっこしいする資格ないだろって話です。

グレゴリー(やっと消えてくれた!)の公開処刑をマギーとダリルが執行して、リックとミショーンがそれを不安気に見ているのはそのまま現在の潜在的な対立構図と重なっています。
ダリルが聖域のリーダー役を辞してもアレクサンドリアに戻らずヒルトップに行くのもそういうことなんでしょうね。

リックとマギーはどんな形で退場していくのか?

既にリックもマギーも今シーズン限りでウォーキング・デッドの世界からいなくなるのは告知されています。
しかも二人ともシーズン前半で退場するらしいと米国のファンは噂しているようです。

リック役のアンドリュー・リンカーンはインタビューの中でシーズン10のエピソードの監督としてカムバックすることを明かしています。
マギー役のローレン・コーハンはシーズン10以降に何らかの形で姿を見せる可能性に言及しています。

つまりマギーに関しては死亡シーンを映像で見せられることは無さそうですね。まぁ油断はできませんが。
ただリックは完全な卒業となりそうです。願わくば悲惨なシーンは無しにして欲しい……
ウォーキング・デッドの顔であるリックにふさわしい誰もが納得できるラストシーンを用意してもらいたいものです。